8.株式併合における端数株式の買取請求



【中間試案】
株式の併合
端数となる株式の買取請求
@ 株式会社が株式の併合(単元株式数に併合の割合(会社法第180 条第2項第1号)を乗じて得た数が整数となるものを除く。)をするこ とにより株式の数に一株に満たない端数が生ずるときは,反対株主は, 当該株式会社に対し,自己の有する株式のうち端数となるものを公正 な価格で買い取ることを請求することができるものとする。
(注1) 反対株主は,端数となる株式の一部についてのみ買取請求をすること はできないものとする。
(注2) 買取請求をしなかった株主の有する株式のうち端数となるものの処 理は,会社法第235条に定める手続によるものとする。
(注3) 併合の割合が一定割合(例えば,10分の1)を上回る割合(例えば, 5分の1)である株式の併合についても,端数となる株式の買取請求を 認めないものとするかどうかについては,なお検討する。
A 「反対株主」とは,次に掲げる株主をいうものとする。
ア 会社法第180条第2項の株主総会(株式の併合をするために種 類株主総会の決議を要する場合にあっては,当該種類株主総会を含 む。)に先立って当該株式の併合に反対する旨を当該株式会社に対し 通知し,かつ,当該株主総会において当該株式の併合に反対した株 主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限 る。)
イ 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
B @の株式の併合をする株式会社は,株主総会(種類株主総会を含む。) の日の2週間前の日又はCの通知若しくは公告の日のいずれか早い日 から株式の併合がその効力を生ずる日(以下2において「効力発生日」 という。)後6か月を経過する日までの間,会社法第180条第2項各 号に掲げる事項を記載し,又は記録した書面又は電磁的記録をその本 店に備え置かなければならないものとする。当該株式会社の株主は, 当該株式会社に対して,その営業時間内は,いつでも,当該書面等の 閲覧等の請求をすることができるものとする。
(注) 本文の事項のほか,上記の書面又は電磁的記録に記載又は記録しなけれ ばならない事項としては,会社法第235条に基づく端数の処理の方法に 関する事項,当該端数の処理により株主に交付される金銭の額に関する事 項等が考えられる。
C @の株式の併合をしようとする株式会社は,効力発生日の20日前 までに,その株主(種類株式発行会社にあっては,併合する株式の種 類の種類株主)に対し,株式の併合をする旨を通知しなければならな いものとする。当該通知は,公告をもってこれに代えることができる ものとする。
D 端数となる株式の買取請求は,効力発生日の20日前の日から効力 発生日の前日までの間にしなければならないものとする。
E 端数となる株式の買取請求をした株主は,株式会社の承諾を得た場 合に限り,その請求を撤回することができるものとする。
F 端数となる株式の買取請求があった場合において,株式の価格の決 定について,株主と株式会社との間に協議が調ったときは,株式会社 は,効力発生日から60日以内にその支払をしなければならないもの とする。
G 株式の価格の決定について,効力発生日から30日以内に協議が調 わないときは,株主又は株式会社は,その期間の満了の日後30日以 内に,裁判所に対し,価格の決定の申立てをすることができるものと する。
H 株式会社は,裁判所の決定した価格に対するFの期間の満了の日後 の年6分の利率により算定した利息をも支払わなければならないもの とする。
I 端数となる株式の買取請求に係る株式の買取りは,効力発生日に, その効力を生ずるものとする。
J 株式会社は,効力発生日後遅滞なく,株式の併合に関する事項を記 載し,又は記録した書面又は電磁的記録を作成し,効力発生日から6 か月間,その本店に備え置かなければならないものとする。当該株式 会社の株主及び効力発生日に当該株式会社の株主であった者は,当該 株式会社に対して,その営業時間内は,いつでも,当該書面等の閲覧 等の請求をすることができるものとする。
K 株式会社が端数となる株式の買取請求に応じて株式を取得する場合 には,自己株式の取得財源に関する規制(会社法第461条第1項) は適用されないものとする。この場合において,当該請求をした株主 に対して支払った金銭の額が当該支払の日における分配可能額を超え るときは,当該株式の取得に関する職務を行った業務執行者は,同法 第464条の責任と同様の責任を負うものとする。
(注) 上記のほか,端数となる株式の買取請求に関する手続等については,組織 再編等における株式買取請求制度に準じて,所要の規定を設けるものとする。





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